
| 彩りも鮮やかな石焼きビビンバ(手前)とサムゲタン(右後ろ)、韓国のりを巻いて食べるチヂミ |
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母国の食卓そのままに
赤と青のちょうちんが下がった入り口を開けると、韓流スターのポスターが目に飛び込む。「女性のお客さんはとても喜んで、盛り上がっていますよ」と笑うのは店主の李善佑(リゼンユ)さん(39)。ソウルから約四十キロ南に位置する水原(スウォン)出身で、来日してちょうど十年。韓国家庭料理の店として昨年六月開店した。
メニューは李さんが食べ慣れた家庭料理、それだけに何もかも手作り。大量に使うニンニクの皮をむくだけでも相当な手間で、キムチやビビンバに欠かせないナムルなどの仕込みに毎日忙しい。「日本で売っているものでは、私の味が出ないから」と、ごま油やコチュジャン、粉唐辛子など主な調味料は韓国から調達しているそうだ。

| 「ビビンバはむらがないよう最初によく混ぜて」と話す李さん |
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数あるメニューの中で「一番の自慢」というのが「サムゲタン」だ。韓国では夏バテ防止に食べるというサムゲタンは韓国産の若鶏の中にもち米や高麗人参、ナツメなどを詰め、三時間ほどじっくり煮込んだもの。スープには薄い塩味が付いているが、好みで塩コショウを付けて食べる。鶏は簡単に崩れるほど軟らかく、さっぱりしたスープはもち米の雑炊感覚。試しにキムチを入れてもおいしく食べられた。
ご飯ものの代表、石焼きビビンバはとにかく熱々。四種類のナムルやひき肉などをお焦げのできたご飯とよく混ぜ、さらにコチュジャンを混ぜると風味が増す。お好み焼き風のチヂミは韓国のりで巻くのが「マダン」流で、もちもちした生地が個性的。ほかにも韓国風若鶏の空揚げや辛いスープのチゲなど、どれもボリューム満点だった。
マダンとは韓国語で人が集まる場所という意味で、李さんは「この店がマダンそのものになってほしい」と夢を描く。午後十一時までの営業時間も近々、延長する予定で、一児の母でもある李さんは人一倍働き者だ。 |