くらし専科


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保険医療
意外にもろい制度の要

2005/11/13(日)
小規模多機能型居宅介護 来年4月スタート ニーズ対応 きめ細かく
 住み慣れた地域で高齢者を24時間支えるため、介護保険の地域密着型サービスが来年4月に導入される。中心になるのは、通いや泊まり、訪問などを総合的に行う小規模多機能型居宅介護サービス。道内にはこのサービスを先取りした動きもあり、利用者からは「目の届く範囲で頼め、安心できる」の声も聞かれる。(大口弘明)
 
地域密着型サービスの中心 通所、訪問など総合的に

  「地域密着型」は、従来の「居宅」「通所」と並ぶ第三のサービス。小規模多機能型のほか夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護など六つの個別サービスから成る。市町村が原則として住民を対象に、介護保険事業計画に基づき実施する。

 小規模多機能型は通所(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)、訪問(ホームヘルプ)の、三つを兼ね備えたサービス。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を組み合わせる場合もある。

  小規模多機能型について厚生労働省は、一つの事業所に登録する利用者の数は二十五人程度を上限と想定。「通い」は一日十五人程度、「泊まり」は五−九人程度が利用するこじんまりした形になりそうだ。

 現状では、それぞれのサービスを利用しようとすれば事業者もスタッフも異なるので、利用者には不安の声もある。その点小規模多機能型は、どのサービスもなじみの職員から受けられるのも利点の一つ。

 十月中旬の社会保障審議会介護給付費分科会では、対象者は要介護度で限定しないと示された。中度や重度の要介護状態になっても、住み慣れた地域で暮らせることを目指すためだ。
 
 
道内にも先進の施設 顔なじみで家庭的

 こうしたサービスを実質的に先取りしている施設が道内にもある。札幌市厚別区の特定非営利活動法人(NPO法人)ホームヘルパーノアは、今の介護保険サービスに加え、三年前から介護保険外で宅老所を併設し、泊まりにも対応している。

 静かな住宅地の一軒家二戸を借りて運営。家庭的な雰囲気が特徴だ。利用者は全体で二十人余りで、泊まりは三、四人が利用している。

 札幌市白石区で独居生活をしていた女性Aさん(83)は十月中旬から、年末まで約三カ月の予定で、この施設に宿泊している。要介護2。二女夫婦が隣の北広島市にいるが、共働きなので日中の世話ができず、ケアマネジャーの勧めで利用した。

 当初、Aさんは「家に帰りたい」とこぼしたというが、二女は「スタッフがみな優しく家庭的な雰囲気なので、母はすぐになじんだ」とほっとした様子だ。家庭で介護のめどがつけば、デイサービスに切り替えることも検討しているという。

 ノアの沢出桃姫子(ときこ)専務理事は「地域の助け合いの延長として、事業を始めた。高齢者がその親を見る介護も珍しくないが、家族介護には限界がある。プロの手が必要」と話す。


市町村に運営委設置 第三者の評価で一定の質を確保

 上川管内美瑛町の「グループホーム虹」は、グループホームとデイサービスを併設、泊まりもサービスに加えた。「利用者と職員はみな顔見知り。大型施設と違い、緊急の宿泊にも対応しやすい」と、領家輝代施設長。「虹」のような「居住」サービスについて厚労省は、必要に応じて併設することで対応する、としている。

 地域密着型サービスは、各市町村にサービスの質などを評価する運営委員会の設置が求められている。メンバーは介護保険の被保険者、利用者、事業者、学識経験者などが想定されている。

 道社会福祉士会の奥田龍人会長は「狭い地域でのサービスになるため、一定の質を確保するためには第三者による評価が欠かせない」と指摘している。