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2005/11/13(日) |
| 保険医療 意外にもろい制度の要 |
私たちは保険料を支払って被保険者証を受け取る。こうして初めて保険診療の輪の中に入ることができる。この輪の中に入ってしまえば安心である。そして病院やそこで働く医師などもちゃんと手続きをしないと、この輪の中に入れない。すなわち病院などは厚生労働大臣から保険医療機関としての指定を受けることであり、医師は保険医として登録されることである。
ときどき、ある病院がこの指定を取り消されたというニュースを聞く。以後、この病院では被保険者証が使えなくなる。つまり、病院や医師の指定・登録取り消しは保険診療の輪の中から追い出されることを意味する。
ところで保険医療機関指定や保険医登録は、病院や医師らからの申請により始まる。従って保険診療はしない、自由診療だけでやっていくと決めるなら申請する必要はない。
かつて医師会の天皇と呼ばれた故武見太郎氏は、自由診療を貫いたことで有名である。つまり、仮に病院や医師がどこも・誰も申請しないなら、あるいはそろって保険診療の輪から抜けるのならば、私たちの被保険者証は病院の窓口ではただの紙切れと化してしまう。
実際に、先の武見氏は厚生省とけんかして、保険医総辞退を敢行したことがあった。程なく事態は解決したが、保険診療のもろさを提示した事件だった。
もっとも、心配はご無用である。病院や医師としても被保険者証が使えないなら患者が来なくて経営が成り立たないので申請せざるを得ない。
むしろ最近は、病院が保険医療機関の指定申請をしても、それを拒否されることがある。その地域にはもう十分に病院があるからと言うのが拒否の理由である。皆がいつもいつも、輪=和をもって尊ぶ、とはいかないようである。
(片桐由喜・小樽商大助教授) |
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