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2006/02/05(日)
年金分割制度 来年4月スタート 離婚の妻に支給上乗せ
 離婚した場合、夫婦間で年金加入記録を分割して、将来の年金額に反映させる「年金分割制度」が来年4月から始まる。専業主婦が離婚すると、現行制度では月約6万6千円の基礎年金しか受け取れないため、新制度の開始を待つ妻たちが相当数いるとみられ、団塊の世代の定年退職とは別の、「もう一つの2007年問題」といわれる。年金分割の仕組みなどをまとめた。(村山健)
 
夫婦で保険料支払いと想定 「内助の功」を認める

 年金分割は平たく言うと、結婚している間に支払った保険料を、夫婦が共同で納めたとみなす考え方。いわば、妻の「内助の功」を認めるものだ。

 対象は厚生年金や共済年金の加入者とその配偶者。国民年金だけに加入している人は対象にならない。

 ここでは、厚生年金についてみる。○七年四月以降に離婚すると、結婚していた間の厚生年金(報酬比例部分)を分割できる。妻が第三号被保険者(専業主婦)の期間は、夫の厚生年金の標準報酬を最大二分の一まで分けられる。妻が第二号被保険者(厚生年金、共済年金の加入者)の期間は、夫婦の標準報酬合計額の半分まで分け合える。

 これには、夫婦の合意が必要だ(協議分割)。合意できなければ、分割の割合を決めるため、家庭裁判所に申し立てる。請求は離婚後二年以内と定められている。

 ○八年四月からは、さらに別の分割制度が始まる。同月以降、離婚するまで妻が第三号被保険者だった期間については、夫の厚生年金の標準報酬の半分が自動的に分割される(自動分割)。夫の同意はいらない。ただ、かなりの年月がたたないと、分割対象の年金はわずかだ。
 
離婚しない場合 振替加算もプラス

 札幌市中央区の社会保険労務士加福保子さんの協力を得て、熟年夫婦のケースを想定してみた。登場するのは、来年六十歳になる会社員太郎さんと、五十八歳になる妻の花子さん。

 太郎さんは二十二歳で就職し、二年後に結婚した。国民年金に四十年、厚生年金には三十八年加入。花子さんは就職せずに二十二歳で結婚して専業主婦になり、六十歳まで通算四十年間国民年金を納めるとする。

 まず、来年四月以降も離婚しない場合。

 太郎さんは当面、報酬比例部分の年額百十七万五千四百円を受給。六十四歳からは、これに定額部分と加給年金(妻が六十五歳になるまで受給。それ以降は妻が一九六六年四月一日以前生まれの場合、振替加算で受給)が加わる。六十五歳からはさらに、老齢基礎年金が受け取れる。これらを合わせると、最も多い時で年額二百三十六万七千二百円になる。

 花子さんは専業主婦のため、六十五歳になってから、太郎さんと同額の老齢基礎年金と振替加算、計八十八万三千円(月額七万三千円余り)を受給する。


離婚した場合 夫の分減らし妻に

 二人が協議分割制度のスタート後、来年六月に離婚すると、どうなるか。

 分割されるのは、結婚生活三十六年分の太郎さんの報酬比例部分(六十五歳以降は老齢厚生年金)。離婚すると、夫の加給年金、妻の振替加算はともに支給されない。

 この結果、50%の分割に合意したとして、太郎さんの年金は当初、独身時代二年分を含めて年額六十一万八千八百五十円。六十四歳になって、定額部分と合わせ、同百三十七万三千九百五十円。六十五歳以降は老齢基礎年金を足して同百四十一万三千三百五十円となり、離婚しない場合より、最大で約九十五万円少ない。

 花子さんの方は六十五歳から、分割分五十五万六千五百五十円と自分の老齢基礎年金の合計百三十五万一千五十円を受給できる。離婚しない時より、およそ四十六万円多く、月額は十一万二千円ほど。自身の老齢基礎年金に月約四万円上乗せされる計算だ。

 六十歳からは老齢基礎年金を繰り上げ受給できる。その場合は一カ月当たり0・5%減額される。

 注意しなければならないのは、妻が老齢基礎年金の受給条件である納付二十五年に満たない場合、年金は分割されない点。事実婚も原則として認められない。ただ、第三号被保険者と認知されていたときには、分割できるよう検討されている。

 年金分割に関する問い合わせは社会保険庁の「ねんきんダイヤル」(電)0570・05・1165へ。共済年金の分割制度については、各共済に。