復元した田んぼに、手でイネの苗を植える会員
栗山町ハサンベツ地区の取り組み

 人の住む近くにあって、人の生活と結(むす)びついている山や森などの残(のこ)る地域(ちいき)を「里山(さとやま)」といいます。そこには田んぼや畑もあり、数多くの昆虫(こんちゅう)や動物たちがいて、さまざまな植物にあふれています。そんな里山の豊(ゆた)かな自然(しぜん)を守り、さらに広げていこうという取り組みが、空知管内栗山町(そらちかんないくりやまちょう)ハサンベツ地区で進められています。どんなことをしているのか、訪(たず)ねてみました。《小華和靖(こはなわやすし)》

昔の田んぼ元通り カエル、バッタ見つけたよ!

 ハサンベツ地区には、雑木(ぞうき)林の広がる小高い山と、山から流れ出るハサンベツ川という小川、小川に沿(そ)って広がる谷間があります。以前(いぜん)はこの谷間に田んぼがありましたが、農家が農業をやめてしまったために荒(あ)れ地になっていました。

 数年前に山を持っていた三人が、町に山を寄付(きふ)しました。農家がいなくなった土地も「ふるさとの自然財産(ざいさん)」として町が買い、二○○一年から町内の自然関係団体(かんけいだんたい)などが中心になって、ハサンベツ里山計画実行委員会がスタートしました。現在(げんざい)は三十五人の会員を中心に町内外の人たちも参加(さんか)して、山もふくめ約(やく)百二十ヘクタールの土地で里山づくりを進めているのです。

 会員の人たちの職業(しょくぎょう)は公務員(こうむいん)や会社員、退職(たいしょく)した人や土建(どけん)業の人、主婦(しゅふ)などさまざまです。毎月第二日曜日に集まり、荒れ地になってしまった昔の田んぼを復元(ふくげん)したり、湿地(しっち)をつくったり、川を整備(せいび)したり、畑をたがやしたりしています。

満開(まんかい)のノビネチドリ
 今月は田植えと、種(たね)から育てたミズバショウの苗(なえ)を植える作業などをしました。自動車学校の校長先生が上手(じょうず)にトラクターを運転して畑を起こし、土建業の人はパワーショベルで土をならすなど、みんなが得意技(とくいわざ)を見せました。

 この日は多くの動植物にも出合いました。田んぼやその近くにはどろだらけのカエルやかわいいバッタ、チョウや、めずらしい花、アライグマの足あとも見つけたよ。今は少なくなった、こんな里山やその風景(ふうけい)を守ろうという運動は全国に広がっています。北海道でもたくさん残していきたいですね。

アマガエル
バッタの子ども
モミジのようなアライグマの足あと


里山計画実行委事務局長の高橋さんに聞きました

 ハサンベツ里山計画実行委員会の高橋慎事務局長(たかはしまことじむきょくちょう)に、里山づくりへの思いを聞きました。

体験、観察してみて

「里山の自然を見に来て」と話す高橋慎さん
 ハサンベツの里山の自然は、大雪(たいせつ)や知床(しれとこ)にくらべるとちっぽけだけれど、多くの生き物たちが住んでいます。

 里山は、人と動植物の長い付(つ)き合いの中でつくられた環境(かんきょう)です。人手を加(くわ)えてその環境を維持(いじ)することではぐくまれてきた動植物がいっぱいいます。ホタルやチョウのオオムラサキ、魚のドジョウ、花のカタクリなどです。田畑のほうがエサのネズミが発見しやすいのでしょう、森にはフクロウやオオタカもいます。絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)の動植物もいます。

 人は自然のめぐみによってしか生きていけないし、そこで暮(く)らすボクたちは、自然界の動植物とともに生きていることを忘(わす)れてはいけません。それを身近で感じ取ることができる場所が里山なんですね。

 自然を人間が使わせてもらって、これを自然に返して…このじゅんかんが大切です。そして、自分で体験(たいけん)して観察(かんさつ)することが重要(じゅうよう)です。

 子どもたちが楽しくすごせて、いろいろなことを知ることができるところになればと思って、みんなで作業しています。みなさんも遊びに来てくださいね。


 ハサンベツ地区の里山についての問い合わせは、栗山町いきものの里ふれあいプラザ(電)0123・72・3000へ。


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