今(いま)のイランを中心(ちゅうしん)とする地域(ちいき)に栄(さか)えたペルシャ文明(ぶんめい)の歴史(れきし)を伝(つた)える「ペルシャ文明展(ぶんめいてん) 煌(きら)めく7000年の至宝(しほう)」(北海道新聞社(ほっかいどうしんぶんしゃ)などによる実行委員会(じっこういいんかい)主(しゅ)さい)が、札幌市(さっぽろし)の道立近代美術館(どうりつきんだいびじゅつかん)(中央区(ちゅうおうく)北(きた)一西(にし)一七)で、三月二十五日まで開かれています。イラン国立博物館(こくりつはくぶつかん)に収(おさ)められている作品(さくひん)を中心(ちゅうしん)に、黄金(おうごん)にかがやく美術工芸品(びじゅつこうげいひん)など約(やく)二百点(てん)を展示(てんじ)しています。貴重(きちょう)な文化遺産(ぶんかいさん)が並(なら)ぶペルシャ文明展(ぶんめいてん)をしょうかいします。《大出行秀(おおいでゆきひで)》

権力示す金銀工芸品 いろんな「動物」探そう

貴重(きちょう)な展示品(てんじひん)を見(み)つめる来場者(らいじょうしゃ)。ライトアップされた展示品(てんじひん)がまばゆい=ペルシャ文明展(ぶんめいてん)
 ペルシャ文明(ぶんめい)は、紀元前(きげんぜん)五千年、つまり七千年前(まえ)までさかのぼります。イラン高原(こうげん)を中心(ちゅうしん)とする地域(ちいき)では、古(ふる)くから農耕(のうこう)や牧(ぼく)ちくが行(おこな)われ、各地(かくち)で独特(どくとく)の文明(ぶんめい)が築(きず)かれていました。紀元前(きげんぜん)二千年ごろから、アーリア人(じん)がイラン高原(こうげん)に南下(なんか)を始(はじ)め、やがて王国(おうこく)や、てい国(こく)をつくり、勢力(せいりょく)を広(ひろ)げていったのです。

 紀元前(きげんぜん)五五○年、ペルシャ人(じん)はアケメネス朝(ちょう)ペルシャを興(おこ)します。史上初(しじょうはつ)の世界(せかい)てい国(こく)で、ダレイオス一世(せい)という王様(おうさま)の時代(じだい)には、西(にし)はエジプトから東(ひがし)はインドにまで領土(りょうど)を広(ひろ)げたのです。アケメネス朝(ちょう)は紀元前(きげんぜん)三三○年にほろびましたが、ペルシャ王朝(おうちょう)はその後(ご)、興亡(こうぼう)をくり返(かえ)しながら、ササン朝(ちょう)(西暦(せいれき)二二六−六五一年)まで続(つづ)きました。

 それでは出品(しゅっぴん)された美術工芸品(びじゅつこうげいひん)の一部(いちぶ)をみてみましょう。

 最(もっと)も栄(さか)えたアケメネス朝(ちょう)では、ぶどう酒(しゅ)を入(い)れる容器(ようき)の「リュトン」や「短剣(たんけん)」など王(おう)の権力(けんりょく)を示(しめ)す多(おお)くの金銀製品(きんぎんせいひん)がつくられました。

 展示会(てんじかい)の目玉(めだま)ともなっている「有翼(ゆうよく)ライオンの黄金(おうごん)のリュトン」は、その代表作(だいひょうさく)のひとつ。有翼(ゆうよく)ライオンは、ライオンとワシを合体(がったい)した想像(そうぞう)の動物(どうぶつ)で、「グリフィン」といいます。アケメネス朝(ちょう)の典型的(てんけいてき)な図(ず)や像(ぞう)で、王家(おうけ)の印(しるし)にも使(つか)われたんだって。容器(ようき)にはぶどう酒(しゅ)を入(い)れ、下部(かぶ)の穴(あな)からさかずきで飲(の)みます。王様(おうさま)が、この容器(ようき)を通(とお)して酒(さけ)を飲(の)むことで、ライオンやワシの力強(ちからづよ)さ、権力(けんりょく)を授(さず)けられると信(しん)じられていたようです。

 また、アケメネス朝(ちょう)の都(みやこ)だったペルセポリスから出土(しゅつど)した、くさび形文字(がたもじ)で書(か)かれた「碑文(ひぶん)」も展示(てんじ)。古代(こだい)ペルシャ語(ご)、バビロニア語(ご)、エラム語(ご)など複数(ふくすう)の言語(げんご)で表記(ひょうき)されているんだ。さすが、初(はつ)の世界(せかい)てい国(こく)といわれるとおり、国際色(こくさいしょく)豊(ゆた)かだったんだね。

 ライオンだけではなく、古代(こだい)ペルシャ期(き)の遺(い)せきから多(おお)く見(み)つかっているウシやヤギ、イヌ、クマなどの動物(どうぶつ)の姿(すがた)をかたどった土器(どき)も、見(み)のがせないよ。背中(せなか)にこぶのあるウシを真似(まね)た「こぶ牛形土器(うしがたどき)」は、何(なん)とも愛(あい)らしい形(かたち)をしているね。農耕(のうこう)・牧(ぼく)ちく民(みん)にとって、ウシなどは大事(だいじ)な動物(どうぶつ)。土器(どき)にこめられた、暮(く)らしに欠(か)かせない動物(どうぶつ)への思(おも)いが伝(つた)わってきます。

 最後(さいご)のササン朝(ちょう)は、シルクロードを通(つう)じて東西交易(とうざいこうえき)を進(すす)め、当時の古墳時代(こふんじだい)の日本(にっぽん)にも大(おお)きくえいきょうしました。特(とく)にガラス製品(せいひん)は貴重(きちょう)な交易品(こうえきひん)。展示(てんじ)されている「円形切子碗(えんけいきりこわん)」と、奈良(なら)・東大寺(とうだいじ)の正倉院(しょうそういん)にある「白瑠璃碗(しろるりわん)」は、同(どう)タイプなんだって。

 ペルシャ文明展(ぶんめいてん)を主(しゅ)さいする実行委員会事務局(じっこういいんかいじむきょく)の小泉真樹(こいずみまき)さんは「いろんな動物(どうぶつ)をかたどった土器(どき)などが展示(てんじ)されていますが、どんな動物(どうぶつ)がいるか探(さが)してみるのもおもしろいね」と話(はな)しています。

〈メモ〉 道立近代美術館(どうりつきんだいびじゅつかん)は毎週月曜休館(まいしゅうげつようきゅうかん)。ペルシャ文明展(ぶんめいてん)の入場料(にゅうじょうりょう)は、おとな・大学生(だいがくせい)1200円(えん)、高校(こうこう)・中学生(ちゅうがくせい)900円(えん)、小学生(しょうがくせい)700円(えん)。問(と)い合(あ)わせ先はペルシャ文明展事務局(ぶんめいてんじむきょく)(電)011・218・2225。


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