南極(なんきょく)といえば、ペンギン。そんなイメージがありますよね。でも、野生(やせい)のペンギンの生態(せいたい)は意外(いがい)と知(し)られていません。そこでペンギンの背中(せなか)に小型(こがた)カメラや水深計(すいしんけい)などを取(と)り付(つ)け、ペンギンの目線(めせん)から周(まわ)りの景色(けしき)をながめてみようというユニークな試(こころ)みが南極(なんきょく)で行(おこな)われました。このほど札幌市内(さっぽろしない)で開(ひら)かれた報告会(ほうこくかい)の会場(かいじょう)では、精密(せいみつ)なペンギンのひなの模型(もけい)や氷山(ひょうざん)の氷(こおり)にもふれることができ、人気(にんき)を集(あつ)めました。《大塚保(おおつかたもつ)、写真も》

国立極地研と北大が、札幌で報告会

500メートル以上もぐることも 背中に小型カメラ、水深計

厳(きび)しい寒(さむ)さの中(なか)で生(い)きるペンギンの様子(ようす)が、大(おお)きく映(うつ)し出(だ)されたイベント会場(かいじょう)
 北海道大学(ほっかいどうだいがく)の低温科学研究所(ていおんかがくけんきゅうじょ)などが二月十八日、札幌市中央区(さっぽろしちゅうおうく)にある内田洋行北海道支社内(うちだようこうほっかいどうししゃない)の協創広場(きょうそうひろば)ユーカラで、南極研究(なんきょくけんきゅう)の面白(おもしろ)さを知(し)ってもらうためのイベント「ふしぎ大陸(たいりく) 南極(なんきょく)を見(み)にいこう」を開(ひら)きました。南極観測(なんきょくかんそく)五十年を記念(きねん)したイベントです。

 報告会(ほうこくかい)では、国立極地研究所(こくりつきょくちけんきゅうじょ)というところで南極(なんきょく)について研究(けんきゅう)している高橋晃周(たかはしあきのり)さんが、南極(なんきょく)のペンギンの様子(ようす)について説明(せつめい)してくれました。

ペンギンの背中(せなか)に取(と)り付(つ)けられたカメラなどの記録装置(きろくそうち)
 世界(せかい)には十七−十八種類(しゅるい)のペンギンがいて、このうち南極(なんきょく)にはアデリーペンギンやコウテイペンギン、ヒゲペンギンなど五種類(しゅるい)がいます。南極(なんきょく)では冬(ふゆ)に気温(きおん)が氷点下(ひょうてんか)八九度(ど)まで下(さ)がったという記録(きろく)があり、風速(ふうそく)九一メートルというもうれつな風(かぜ)がふきあれたこともあるそうです。ですからペンギンの暮(く)らしも大変(たいへん)です。

 会場(かいじょう)では、氷(こおり)の割(わ)れ目(め)から海(うみ)に飛(と)びこみ、海(うみ)の中(なか)でプランクトンなどのえさをとってから再(ふたた)び、氷(こおり)の上(うえ)へ次々(つぎつぎ)ととび上(あ)がるようにしてもどってくるペンギンたちの姿(すがた)がスクリーンに映(うつ)し出(だ)されました。

会場(かいじょう)に展示(てんじ)されたペンギンのひなの模型(もけい)を手(て)にした子(こ)どもは興味(きょうみ)しんしん。体重(たいじゅう)2キロ。「意外(いがい)と重(おも)いんだね」
 ペンギンはいったいどれくらい深(ふか)く海(うみ)にもぐるのでしょう? 高橋(たかはし)さんたちは、ペンギンの背中(せなか)に小型(こがた)のカメラや水深計(すいしんけい)を備(そな)えた記録装置(きろくそうち)を取(と)り付(つ)けて、そのデータを分(ぶん)せきしました。その結果(けっか)、アデリーペンギンで水深(すいしん)一七五メートル、コウテイペンギンはなんと五三四メートルまでもぐることが分(わか)かりました。カメラには海中(かいちゅう)をのびのびと泳(およ)ぎ回(まわ)る仲間(なかま)のペンギンたちの姿(すがた)も映(うつ)っていて、見(み)ているわたしたちもペンギンになったような気分(きぶん)になりました。

水(みず)を注(そそ)ぐと氷山(ひょうざん)の氷(こおり)から「大昔(おおむかし)の空気(くうき)」が溶(と)け出(だ)し、コップに耳(みみ)をあてるとパチパチと音(おと)が聞(き)こえた
 ペンギンにも働(はたら)き者(もの)となまけ者(もの)がいるそうですが、働(はたら)き者のペンギンのひなの体重(たいじゅう)の増(ふ)え方(かた)が必(かなら)ずしも良(よ)いとはいえないそうで、高橋(たかはし)さんは「ペンギンの世界(せかい)でも効率(こうりつ)よく働(はたら)くことが大切(たいせつ)なようで、長時間労働(ちょうじかんろうどう)はだめ。人間社会(にんげんしゃかい)と同(おな)じで、身(み)につまされるような気(き)がします」と笑(わら)いながら話(はな)していました。

 このほか会場(かいじょう)には、大(おお)きさや重(おも)さまで忠実(ちゅうじつ)に作(つく)られたペンギンのひなの模型(もけい)や、南極(なんきょく)のいん石(せき)、氷山(ひょうざん)の氷(こおり)が展示(てんじ)され、防寒着(ぼうかんぎ)の試着(しちゃく)コーナーも人気(にんき)。札幌(さっぽろ)・北野台小(きたのだいしょう)三年の多田友華(ただともか)さんは「これまではただかわいいと思(おも)っていたけど、ペンギンにもいろんな種類(しゅるい)や特(とく)ちょうがあるのが分(わ)かって楽(たの)しかった」と話(はな)していました。


戻 る
北海道新聞 Copyright(c) The Hokkaido Shimbun Press.