私は関西で生まれ育ちましたが、フクロウが大好きで、十八年前に大阪から北海道に引っ越してきました。森と川が近くにある根室市こう外の酪陽というところに、妻と子供四人の六人家族で暮らしています。北海道にしかいないシマフクロウが生息する場所です。
自然のかん境がだんだん悪くなって、今ではシマフクロウは百三十羽くらいしかいません。私はそのシマフクロウの保護や研究をしています。毎日観察をして、病気やけがをしているフクロウを助ける仕事です。
シマフクロウが生息できないということは、実はそれ以外の動物や人間にとっても危険信号が出ているのです。だから私は、シマフクロウとともにその生息地も守らなければと、思っています。
「どうしてそんなにフクロウが好きなの」と、人からよく聞かれます。首を縮めたり、かしげたりするしぐさやねているときの顔って、かわいいですよ。でも、フクロウが好きな本当の理由は自分でもよくわからないのです。
ただ、はっきり言えるのは、小学生時代にフクロウと初めて出合ったときの印象がとても強れつだったことです。
京都府で生まれた私は、父の仕事の関係で四さいのときに大阪府の枚岡(ひらおか)市《現在は東大阪市》に移り、一九五七年、同市の孔舎衛(くさか)小学校に入学しました。
そして、小学一年生の夏の初めのことです。友達の家から自分の家に帰ると中、その日はなぜかいつもの道ではなく、墓地を通っていました。
歩きながら何げなく目を上にやると、高い木にフクロウが止まっていたのです。
感激という気持ちとは少しちがうのですが、家に帰ってもフクロウのことが気になって仕方ありません。次の日にまた来ると、同じ木にちゃんとフクロウがいました。子そだての季節だったのです。私は毎日フクロウのもとに通いました。昔は大阪にもフクロウがいたのです。 |