もうすぐ新入学、新学期シーズンですね。みなさんは、学校へ行く準備や進級する心構えを整えましたか。私は作家としてデビューしてから、十二年目になりました。最初の出版は「結婚しないかもしれない症候群」という本です。みなさんにはまだ難しい内容ですが、多くの人に読まれテレビドラマにもなったんですよ。
私は札幌の白石区で生まれました。両親とともに二階建てのアパートの一階に住んでいました。「はいはい歩き」のころからじっとするのがきらいで、母が目をはなしたすきに何度も、二階に住む知り合いのおねえさんのところへ行っては連れもどされていたそうです。おねえさんが留守だったある日、ひとりで階段を下りようとして、頭から転落して大けがをしました。傷あとは今も残っていますが、両親にとても心配をかけてしまったできごとの一つです。
少し大きくなって保育園に通いました。本当は幼稚園に行くはずだったんですが、とても性格の乱暴な子がいて、気の弱い私がこの幼稚園をいやがったからなんです。「泣き虫」でもあった私は、このころから「昆虫」に興味を持つようになります。
当時、自宅の周りには自然がいっぱい残っていました。ひとりでキュウリやナス、トマトの植えられている畑などに行っては、イモ虫や毛虫をはじめどんな虫でもじーっと観察していたんです。どうして虫が好きになったのかは覚えていませんが、クモを見ているのも大好きでした。
両親や近所の人たちからは「虫好きの志穂ちゃん」と呼ばれていたんですよ。後に大学で、野生動物の研究を始めるようになったのは、この時に決められたことだったのかもしれません。
虫ではショックなこともありました。母の誕生日に、空きかんいっぱいのカタツムリをプレゼントした時です。うれしそうだった母は、すぐに「きゃっ」と言ってかんを床に落としてしまいました。一生けん命集めた自分の大好きなものが、母を喜ばせるどころか、おどろかせてしまったことは、とても悲しい思い出となっています。 |