私が神奈川県の鎌倉市から札幌に移り住んで、今年で十年になります。美容院を開きながら、「エッセー」という文章を書き、あちこちの町や村に講演に行ってお話をしていますが、たくさんの人たちと仲良くなりました。
母のふるさとが滝川で、北海道との結びつきは昔からあったのですが、実際に住んで、とてもすばらしいところだと思いますよ。
講演に行くと、いつも「そっくりね」といわれます。姉でタレントの徹子と、よく似ているというのです。自分では「そうかなあ」と首をかしげ、「きょうだいといっても、みんなちがうのよね」と心の中で思うのね。みんなも、そう思うことって、ない?
私が東京で生まれた時は、太平洋戦争の真っ最中でした。父が戦争に行き、おばあちゃんや母と家族全員で青森県に引っ越しました。生まれて数カ月の私は母に背負われ、ぎゅうぎゅうづめの列車で行ったそうですが、おむつなど取りかえてもらえなくとも泣かなかったということです。
戦争が終わって家族は東京にもどり、大田区の洗足池という池に近い自然がいっぱいのところに住みました。私は大好きなおばあちゃんに遊んでもらい、いつものびのびしていた記憶があります。
そうそう、私の「眞理」という名前はキリスト教を信仰しているおばあちゃんがつけてくれたのですが、「聖書」にたくさん出てくる「真理」ということばから取ったわけ。つまり「本当のこと」を大事にしてほしい、という願いがこめられているのね。
そのころから私は、どちらかというと一人遊びが好きな子だったわね。近くにサクラがきれいな桜山があり、池でザリガニをとったり、まりつきをしたり。中でも、とっても気に入っていた遊びがあるの。庭の土をほり、そこにきれいな花なんかを入れて、ガラスでふたをしたあと土をかぶせておきます。ときどき土をのけて、私の宝物をながめるの。楽しかった。
同じころのできごとかな、今でも悲しくなる思い出があります。来週はそのお話をしましょう。 |