遊び、楽しみながら算数・数学の考え方を学ぶ「オホーツク数学ワンダーランド」が七月、網走市の旧嘉多山小学校にオープンしました。ぼくは、そこの名誉会長です。
ワンダーランドには、四つの直線や曲線のレーンにボールを転がしてどれが一番速く落ちるかを当てる「サイクロイド滑り台」とか、車輪がおむすび形をしているのにスムーズに動くワゴン車など約二百点の教材を置いています。
数学の公式や法則につながるこうした作品に、子どもたちも大人もゲーム感覚で挑戦してくれます。
四十二の問題を解いて全部正解すると認定証がもらえる数学マラソンも評判がいい。四十二題を一日で解くのは大変なので、二十一題のハーフマラソンと十題のクオーター(四分の一)マラソンもつくりました。
クオーターは小学生、ハーフは中学生、フルマラソンは高校一年生レベルですが、お父さんやお母さんも必死で取り組んでいます。全問正解までには何度も通わなくてはなりませんが、たくさんの人に足を運んでほしい。
算数・数学のテレビ、ラジオ番組のビデオやテープを集めた視聴覚教室も人気があります。いつでも自由に取り出し、見たり聴いたりできる。子どもたちだけでなく、大人にも勉強をやり直してほしいというのが願いです。
数学ワンダーランドをなぜ網走につくったかというと、二年前に道新ホール(札幌)でPTA向けの講演会をした時、網走市の人たちが訪ねてきてこう言いました。「網走は自然や海の幸、山の幸に恵まれているけれど、文化に乏しい。算数や自然科学の文化を根づかせて、子どもの豊かな心を育てたい」
数学のおもしろさを教えるため、テレビでいろんな道具や作品を使って授業するぼくを評価してくれたんですね。教材の常設展示はいいけれど、“嫌われ者”の数学や物理を通しての町おこしなんて世界でも聞いたことがない。でも、これはやりがいがあると思って、二つ返事で引き受けちゃいました。
中学生のころから北海道にとてもあこがれていたことも理由です。いろんな動物がいて、四季は美しく、人々も温かい。大人になったら、北海道で「晴耕雨読」の生活をするのが夢だったんですよ。
ワンダーランドは世界に先がけた数学の遊園地です。三鷹の森ジブリ美術館(東京)や東京ディズニーランドのように、世界中の人々が集まる知のテーマパークにしたいと張り切っているのです。 |