テレビの「どさんこワイド212」(STV)で料理のコーナーを担当して満十二年になります。月−金曜の放送の中で、いろいろな料理をつくってきましたが、こんなに長く続いている料理の生番組は世界でも例がなく、いろいろな世界記録をのせる「ギネスブック」で世界一と認められました。
番組を見てくれるのは料理をつくるお母さんが多いので、みんなも私が考えた献立を食べたことがあるかもしれません。紹介した献立は三千品になります。その中で私がいちばん伝えたいのは、「北海道の食べ物って何てすばらしいんだろう」ということです。
魚、肉、野菜、米…。どれをとっても日本一おいしいと思います。本州や海外に出かけ、その土地の自まんの食事をいただくことがありますが、決してうらやましいと思ったことはありません。だから私が考える献立は全部、北海道産の材料が主役なんです。
なぜ私が北海道の食材を使った料理をつくったり、研究したりするようになったのかは、やはり小学生時代の体験にあると思います。
私は一九五一年、上川管内南富良野町で生まれ、高校卒業まで十八年間暮らしました。両親は農業をしていて、畑でジャガイモ、ニンジン、ムギなどを作っていました。
太平洋戦争が終わった後、食べ物を手に入れるのがむずかしかった時期がありましたが、わが家は質素ではあっても食べ物に困ったことはありませんでした。「だから農業はいいんだ」と、父がよく言っていたのも、ぜいたくはできなくても農家は食べていける、という自信があったからでしょう。
私は四人きょうだいのいちばん上で、小さいころから農作業を手伝わされていました。そのころは子供でも大切な働き手だったのです。いそがしくなると、日曜日は休みではなく農作業。授業のある日も家に帰ると、作業着で畑に出て種まき、草取り、うね作りを手伝いました。忙しくて学校に行けなかったこともありましたね。
次回は、そのころの食べ物の思い出をお話しましょう。おいしかった食べ物や、みんなが「えー、そんなものを食べたの」とおどろくような話ですよ。 |