みなさんは特急列車に乗ったことがありますか? 私はJR(ジェイアール)北海道で列車を設計したり、新しい技術を開発したりする仕事をしています。速くて、乗りごこちが良くて、かっこいい特急があったらいいなと思って、いろいろな列車をつくってきました。クリスタルエクスプレスやニセコエクスプレス。スーパー北斗や寝台特急の北斗星。みなさんは、どの列車が好きですか?
札幌と函館の間を走るスーパー北斗などには「ふりこ式」という技術が使われています。カーブでスピードを出しても中のお客さんがたおれないように車体をかたむけて調整する技術で、JR北海道が雪国用に開発・改良しました。スピードスケートの選手はカーブを曲がるときに重心を低くして体をかたむけるよね。それと同じようなことを列車にも応用しているんです。
雪国の列車は雪や寒さに強くなくてはいけないので、暖かい場所を走る列車に比べて重装備になります。冬でも安全に走れて、しかも、使いやすいデザインが求められる。そういう条件でどんな列車をつくるか、デザイナーや技術者のうでの見せ所です。
設計に「北海道らしさ」を出すことも考えています。クリスタルエクスプレスはスキーなどで本州のお客さんが多く利用するので、北海道の雄大な自然を楽しんでもらうために窓を大きくするなどの工夫をしました。札幌から釧路へ行くスーパーおおぞらは、車体が青で、ドアだけが赤。これは、釧路湿原で見られるタンチョウの頭の赤色をイメージしています。
ふりこ式の特急は、列車を前にもつなげて延ばすことができるよう、先頭車両の前側にドアがあります。デザイン的には、前にドアがあると少し格好悪いので、運転席を思い切ってドアの上に高く上げてみました。このときはダイナミックなデザインだねと言われました。
実は、運転席の窓の形はレーシングカーをイメージして設計したんです。私は、子どものころはスポーツカーが大好きで、将来は車のデザイナーになりたいと思っていました。先日、私の中学時代のノートが出てきて、自分でデザインした車の絵がたくさんかいてありました。そういう子どものころのあこがれが、どこかで今の仕事にも生きているのかもしれませんね。 |