みなさんは「あや取り」をして遊んだことありますか?
私が長年、調査をしているアラスカの先住民族イヌイット(エスキモー)も、あや取りをしています。ベーリング海に面した島で、子供たちは「ガン、カモが飛んでいるところ」「魚をとる網」と指を動かし教えてくれました。
使う糸が、カリブー(野生のトナカイ)の足のけん《筋》だったりしますが、遠いアラスカにも日本と同じ遊びがあるのは面白いですね。
エスキモーとは、となりの地域に住んでいる民族の言葉です。今は、自分たちの言葉で「人」という意味の「イヌイット」と呼ぶようになりました。
パーカという防寒服やイグルー(氷の家)の名前はみなさんも知っているでしょう。かれらには肉を生で食べる習慣もありました。その方がビタミンなどの栄養が失われなくて良かったのです。これらは厳しい寒さを乗りこえて北極圏に住みついた民族の知恵の結晶です。
このような異なる文化、知恵を学んで生かしていく学問が、文化人類学です。しかし、彼らの暮らしは「文明化」して犬ぞりがスノーモービルに、半地下式の家が地上のふつうの家になり石油のヒーターを使うようになりました。キリスト教の布教や文明との出合いで独自の信仰、風習が少しずつ失われています。記録を急がなければなりません。
私は、小学校に入るころから古いことが好きだったようです。建築設計の仕事をしていた父は神社、お寺など古い建物を見に行くことが多く、私もついていきました。そこには古い品物をしまう「宝物殿」があります。
栃木県日光市の東照宮、奈良市の東大寺、三重県伊勢市の伊勢神宮などで、かぶと、よろい、古い食器などを見学しているうちに歴史に関心が高まっていきました。 |