| Q 狙いはどこに A 巧妙化する偽造を防止/円の信頼性向上目指す |
| 「目的の一番は偽造防止」。塩川正十郎財務相は新札発行を発表した二日の会見で、こう強調した。 現在の三種の紙幣が登場したのはいずれも一九八四年。それから二十年近くの間にコンピューターの高性能化や低価格が進み、紙幣偽造に使われるカラースキャナーやコピー機の精度も向上、ここ数年、偽札事件が急増している。危機感を募らせた財務省、日銀は昨年秋から、二〇〇〇年に初めて発行された二千円札を除く三種について、新紙幣への切り替えを検討してきた。 警察庁によると、今年見つかった偽札は、六月までの半年間で一万円札が三千四百一枚、五千円札が五百三枚、千円札が五千九百七十九枚。合わせて一万枚近くに達し、昨年一年間の総数七千六百十三枚をすでに上回った。 特に昨年からは、駅の券売機や自動販売機などで千円札の偽札が使われる事件が多発。透かしや視覚障害者向けの凹凸がないため、手にとって見るとすぐに偽造と分かるのだが、磁気インクを使っているため機械の識別システムでは本物と認識されてしまうことが多い。識別の精度が高いとされる銀行の現金自動預払機(ATM)からも偽札が見つかり、政府の決断を急がせた。 欧州では今年、最新の偽造防止技術を導入したユーロ新紙幣が登場し、米政府もドル札の一新を検討している。日本政府としては、ドル、ユーロと並ぶ基軸通貨としての円の信頼性を高めるためにも新札の発行が必要と考えたようだ。 |
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