| Q 課題はあるのか A 行政や議会から影響も/「財務の専門性」に疑問 |
| 現行制度の最大課題は、監査委員が行政や議会から完全に独立しているとは言い難い点にある。例えば、監査委員はそもそも自治体首長によって選任され、議員の監査委員は、本人の適性よりも議会の都合で選ばれる傾向が強い。 また監査委員事務局職員は、定期人事異動で同じ自治体の他部局との間を行き来し、監査実務の専門性が乏しいとの批判が絶えない。事務局職員は監査委員の指示により、実際の監査業務を担っている。このため、こうした人事異動によって、かつて自分が所属した職場や役所の先輩がいる部署に監査に出向くことも珍しくない。監査委員側と監査を受ける部局は、厳しい緊張関係が必要だが、こうした関係が継続していることから、監査委員の「独立性」への疑問も指摘されている。 一方、法律上の制約、限界もある。監査対象の部局が監査に非協力でも罰則規定はなく、監査委員は協力の「お願い」しかできない。実際、今回の道警報償費疑惑では、疑惑解明のカギを握る「捜査員への聴取」を道警は拒んでいるが、監査委員にはその壁を突破する法的手段がない。しかも道監査委員事務局と道警は九八年、捜査用報償費について「協力者の保護」を理由に「協力者」の氏名や住所などを確認しないという合意文書も交わしている。 ただ、監査委員は今回、内部文書とされる会計資料に「捜査協力者」として記載された一般市民に対し、文書による異例の事情聴取に踏み切った。「法的制約はあっても、やる気次第で相当のことができる」(札幌の弁護士)のも事実だ。 監査委員制度の将来課題について、北海学園大法学部の近藤哲雄教授(自治体法)は「事務局職員の養成が重要。専門性を高めるため他部局との人事交流をやめ、事務局長は公募にするなど、独立性を高める工夫も必要だ」と提言している。 |
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