偽造・盗難カードによる不正な引き出しについて、これまで金融機関は民法に基づく約款(契約上の自主ルール)などを盾に、ほとんど補償に応じず、金融庁も法制化には消極的だった。しかし、被害の急増が社会問題化する中、与野党がそれぞれ議員立法の形で法案を提出、最終的に与党案が通った。
預金者保護法の対象となるのは、銀行や信用金庫、信用組合、農協、漁協、郵便局、労働金庫など、ほぼすべての金融機関の預金(農協、漁協、郵便局は貯金)。被害に遭った預金者は警察と金融機関への被害届け出が必要で、原則として届け出から三十日前までのATMでの引き出し被害が補償対象となる。
同法では、偽造・盗難にかかわらず、預金者に過失がなければ、金融機関が被害の全額を補償するのが基本。ただ、預金者に「重過失」があった場合には補償はされない。重過失以外の過失では、偽造カードによる被害は全額補償、盗難カードは75%補償と定めた。カード偽造に対しては金融機関に一種の製造者責任を求める一方、盗難では預金者の過失度合いを重視した。預金者の過失については、金融機関側に立証責任を負わせた。 |