教育再生会議の狙いは「公教育の再生」。子どもたちの学力と規範意識が低下しているという現状認識から、学力向上と規範の浸透を最優先に掲げる。ただ、その土台には「戦後レジーム(体制)からの脱却」を持論とする安倍首相の復古的な思想が見え隠れする。
再生会議発足と前後して、いじめ苦による自殺、高校の必修科目履修漏れなど教育をめぐる問題が続出したこともあり、再生会議はさまざまな提言や報告を出してきた。
生徒数に応じて学校の運営資金を配分し、学校間の競争を促進する「教育バウチャー(利用券)制」、大学の九月入学制への移行を打ち出したほか、今年一月の一次報告では《1》授業時間の一割増《2》いじめ加害者への出席停止《3》不適格教員の排除《4》教育委員会の改革−などを盛り込んだ。
それぞれアピール度は高いものの、効果に疑問符がつくものも少なくない。教育バウチャー制は「教育に市場原理を持ち込む」との批判が根強いほか、不適格教員の排除などは懲罰的な色彩が強すぎるという指摘もある。メンバーに財界人が多く、教育学者などの専門家が少ない点にも理由がありそうだ。
再生会議の提言をどう具体化するかも大きな課題。再生会議は閣議決定で設置されたが、法律の裏付けはないからだ。教育行政をあずかる伊吹文科相は「再生会議は総理の助言機関で政治的な重みはあるが、再生会議がいろいろ決めるわけではない。法案にする場合は中教審で論議する」とけん制さえする。 |