国宝制度は、重要文化財(重文)のうち特に優れたものを安全に保存し、積極的に活用して国民の文化的向上につなげようとするもの。文化財保護法は「文部科学大臣は、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国宝に指定することができる」と定める。
縄文時代の遺物が国宝に指定されるのは、著保内野の中空土偶を含めて三件、土偶に限るとわずか二件。縄文文化の研究が定まっていないことなどが要因とみられる。
文化庁によると、縄文時代の土偶は全国で約一万千−一万四千個出土している。そのほとんどは体の一部で、全身が出土しているのはわずか四十−五十個。
中空土偶は、高さ四一・五センチと国内最大で、頭の突起と両腕が欠損している以外はほぼ完全な形で発掘された。中を空洞にするため土を薄く焼き上げる技術、表面に施された縄文模様など精緻(せいち)なつくり。読み取れる情報量が多く学術的価値は高い。
出土した縄文時代の土偶の中で、「その頂点に位置する貴重な考古資料の一つ」(文化庁美術学芸課)という。 |