no.35 ペットの管理徹底を (斉藤 聡)
2001/12/26

 今年の10月1日から、北海道では全国に先がけて「動物の愛護及び管理に関する条例」が施行されました。これは日本で初めてつくられた新しいルールです。どんな内容なのでしょうか?

 北海道にはもともと固有の動物として、ヒグマやナキウサギ、シマフクロウなどがいます。しかし最近、飼い主の元から逃げたり、ふとどきな飼い主が捨てたりした動物が自力で生き残り、他の動物を脅かしたり、農作物に被害を与えたりしているといいます。

 人間に重大な病気を起こすエキノコックスという寄生虫は、ネズミ駆除のため、千島列島から礼文島に連れてこられたキツネによって持ち込まれたと考えられています。

 みなさんの周りのペットでも、道外から来てヒト社会にとっては困ったことをしている動物がいます。漫画にもなったかわいいアライグマや、フェレットというイタチの仲間や、リスの仲間のプレーリードックなどです。これらの動物が野生化して畑の作物を食べ、農業に損害を与えています。もともとその地方にいなかったこれらの動物を移入動物と呼んでいます。かわいいということだけで飼い、大きくなって持て余して捨ててしまうなんて、なんてひどい人でしょうか。

 今度の法律の柱は、移入動物を飼う場合の届け出制と、捨ててしまうような無責任な飼い主に罰金を科すというものです。キツネやアライグマが悪者なのではなく、その動物のことを知らずに連れてきて、いらなくなったら捨ててしまう勝手な人間が悪いのです。

 アライグマやキツネたちはきっと、師走の月に向かって泣いていることでしょう。

(斉藤聡=札幌・石山通り動物病院院長)

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