 |
| 2007/03/10(土) 朝刊 |
| 市長選 私の質問 |
「ごみ減量化」「街中の自然」
◆東区、年金生活男性(78)
「家庭ごみが増え続けて、このままでは近い将来、最終処分場がいっぱいになるほど深刻な問題と言われています。性別、年齢に関係なくすべての市民にかかわる問題だから市政の第一の課題ではないですか。ごみ収集を有料化しようという話もあるようですが、どうやって減量しますか」
◆東区、主婦(63)
「札幌は緑が多くて自然豊かだと言われていますが、街中はあまり緑がないんじゃないでしょうか。街路樹は茂るとすぐ切られてしまうし、子どもが遊べるような場所も多くない。街中に動物が行き来できるような緑があってもいいと思いますが、どう考えますか」
■上田文雄氏 NPOなどを助言者に
札幌市の四清掃工場はほぼフル稼働しています。篠路工場は延命策を重ねましたが、あと十年で限界です。建て替えには三百七十億円かかります。埋め立て場も長くは持たない。ごみ減量は待ったなしの重要課題です。
今年はミュンヘンとの姉妹提携三十五周年。世界で最も進んだ環境都市ですから、環境問題をメーンテーマとした交流とし、先輩の取り組みを吸収する機会にします。
−−公約にはごみ減量の具体策がありません。
再選後は、焼却に回る家庭ごみと事業ごみの年間計六十九万トンを、二〇一一年度までに二十四万トン減らし、篠路工場は廃止します。
ごみや環境問題こそ、市民自治の力が発揮される場面です。NPOや地域の皆さんにごみ問題アドバイザーとなってもらい、大運動を展開します。スタッドレスタイヤ導入を思い出してください。市民の力は大きな環境問題も動かすのです。
家庭ごみの三割を占める生ごみの資源化が重要です。今行っているモデル地域での飼料・肥料化や、コンポスト・生ごみ処理機の購入助成を、アドバイザーの助言を受けて拡大したい。全市的に資源ごみの回収拠点を増やすことも検討します。
−−無料収集を続けるのか有料化するのかはっきりしませんね。
まず必要なのは減量化の手を打つこと。私は次の四年で、分別の仕組みを強化します。今、市の審議会でごみ関連政策の方向性を検討してもらっています。三月中に受ける提言と、減量化の促進をセットとして、市民としっかり議論しなくてはなりません。
−−前回の市長選公約の「緑の三割増」は未達成。緑化に力が入っていないのでは。
札幌市は、街路や公園の植樹のほか「一家庭一植樹」運動も進めています。今任期中には十七万本の植樹をし、目標達成率は七割でしたが、新年度は目標未達成分にあたる七万本を植えます。その後三年で、今任期以上の植樹を進めます。
また、学校のグラウンドの芝生化にも力を入れてきました。これも緑化の取り組みとして重要です。年間で小中学校十校前後のグラウンドの芝生化を進めます。(川原田浩康)
■清治真人氏 ディスポーザーを推進
ごみは札幌市の抱える問題として極めて重要です。大量生産・大量消費型から循環型社会にしなければ、地球環境への影響はますます深刻になる。とくに市民生活から発生するごみの量を抑える政策が欠かせません。
具体的には、生ごみを砕いて下水に流すディスポーザーの導入を進めます。下水処理場に負担をかけないため、マンション建設時などに浄水機能がついた装置を使うよう誘導する助成制度を設けます。
また、生ごみを堆肥(たいひ)化するコンポストや電動生ごみ処理機も効果的ですから、これも助成して普及を促します。
−−有料化が減量に効果的との意見があります。
ごみ収集を有料化しても減量に効果があるか疑問です。一時的に減るかもしれませんが、慣れてくればすぐ戻ってしまうのでは。それに、有料化すれば川や公園への不法投棄が間違いなく増えます。私は有料化しません。無料化を継続する代わりに減量への協力を市民に強く訴えます。
−−ずいぶん金がかかるんじゃないですか。
清掃工場やごみ収集の民間委託を進めれば無料化を継続できますし、ディスポーザーなどの助成費用も生み出せます。
ほかにも、子どもにごみ減量化、分別回収を徹底的に教育したい。子どもが徹底してやれば、大人だってやらざるをえなくなります。流通業界に過剰包装をやめるよう呼びかけることも大事です。
−−街中の緑を増やす考えはありますか。
街中が緑豊かになれば、もっと魅力的な札幌になりますが、いま市街化区域で緑に覆われている面積は約20%、樹林の比率は約8%。いずれも政令指定都市の中では最低レベルなのです。私は街中にもっと公園を造ります。民間が再開発やビルを建て替える時に、高さ規制と容積率を緩和すれば今より広くて高い建物が建てられるから、公園を造ったり緑を増やすよう誘導できるのです。
こうした手法で藻岩山から中島公園や創成川、大通、北大などを緑の回廊としてつなげます。街中でも鳥やリスなどの小動物と共生できるようにしたい。小学校の校庭を芝生にすることにも力を入れ、緑あふれる札幌を目指す考えです。(志子田徹)
記者の目
札幌市の最終処分場は16年後には満杯となる見通しで「ごみ減量」には早急な対応が必要だ。
上田氏は「NPOや地域住民をごみ問題アドバイザーとする」など、市民との協働を強調するが、集合住宅の排出マナーの悪さなど、市民の意識には差がある。市民の力頼りでは解決は難しい。家庭ごみ収集の有料化については、審議会が検討中との事情もあるが基本的な考えを示すべきだ。
清治氏はディスポーザー導入や、コンポスト助成などを提言するが、85万6000世帯のうち、どれだけが対象となるのか分からず、実際の効果は不透明だ。「無料化を継続し、市民に協力を訴える」とする主張も具体策が示されず、ごみ減量につながるのか説得力に乏しい。ごみ問題は市民生活の根幹ともいえるだけに、両氏は効果的な施策を示してほしい。(中村公美) |
| |