Oh!さっぽろ
つい使ってしまう北海道弁ベスト20
 ビジネスの場でも、ちょっと気取った席でも、ついつい北海道弁が出てしまう。場合によるけれど、方言のおかげで何となく場が和んだりする。そんな経験はないだろうか。北海道新聞札幌圏部は読者を対象に「つい使ってしまう北海道弁」のアンケート調査をこのほど実施、その結果「ごみを投げる」が第一位に。ベスト20の発表とともに、読者の「北海道弁体験」などを二回に分けて紹介する。初回は第一位から第五位までの北海道弁とエピソードを。(菊地信)
<上>やっぱ道産子だべさ  <下>いいっしょ 温かい言葉
つい使ってしまう北海道弁ベスト20

2004/01/16(金) 朝刊
■第1位 【(ごみを)投げる】 時には誤解
 (ごみを)捨てるの意。用例「今週のごみ投げ当番だれだ」

 回答者の56・2%の支持を集めた。なるほど道産子が無意識に使ってしまう言葉の代表格だ。

 「茨城の工場で地元の人に『このごみ投げてきて』と言ったら、『どうやって投げるのですか』と投げ方を聞かれた」(五十一歳男性)、「大阪で二階に住んでいて『ごみ投げるわ』と言ったら、やめなさいと止められた」(四十四歳女性)などの体験談も寄せられた。ごみをその辺にポイポイ投げられたら確かに困る。

 日本方言大辞典(小学館)によると「投げる」を捨てるの意味で使う地域は、道内のほか東北全域に及ぶ。関西では「放る」を意味する「ほかす」を使うところも多い。

■第2位 【(手袋を)はく】 靴下、靴と同じ
 (手袋を)はめるの意。用例「手袋はけばあったかい」

 「手袋は『はめる』ものでなく、『はく』ものだと思います」(三十七歳女性)との力強い意見の通り、道産子にとっては手袋は靴下、靴と同じくはくもの。全体の47・8%がよく使うと回答した。

 「手袋を『はく』を今、北海道弁だと知りました。びっくり」(三十四歳女性)など方言と気付かずに使っていたという人も複数いた。

■第3位 【こわい】 意外?と広範囲で使用
 疲れた、体がだるいの意。用例「こわくてこわくてやってられんわ」

 疲れたの意味で「こわい」を使う地域は意外と広範囲にわたる。日本方言大辞典によると、道内のほか東北全域、北関東一帯、奈良、広島、山口、愛媛、鹿児島の一部などでも使われるという。

 「医者に行った時、こわくてこわくて目まいがすると話したら、医者の私がなぜ恐ろしいか、危険と感じてなぜここに来たか、嫌なら来るなと言われた」(三十六歳女性)など誤解を招いたケースもあった。

 一方、「東京でタクシーに乗って『ああ、こわい』と言ったら、運転手さんが『北海道弁懐かしいなあ』と料金を負けてくれた」(五十九歳女性)というエピソードも。

■第4位 【きかない】 「きかん坊」は標準語
 気が強い、わんぱくな、健康なの意。用例「あそこの子ならほんとにきかないもね」

 「言うことを聞かない」「気が利かない」から転じた。東北の広い範囲では同様の意味で「きかず」ともいう。青森県では「きかせない」という言い方もある。

 「きかない」子どものことを「きかん坊」というが、これはほぼ標準語で広辞苑などにも掲載されている。「健康な」という意味で使うケースは限られ「インフルエンザが流行っているけど、うちの子きかないから大丈夫だ」のように用いる。

■第5位 【うるかす】 料理本にも堂々登場
 水に浸す、わざと放っておき先送りにするの意。用例「米ば研いでうるかしといて」「例のプロジェクト、しばらくうるかしてから取り掛かろう」

 ごはんを炊く時、米を「うるかす」のは道産子には当たり前。道内出版物などの料理レシピにも時々顔を出す。「標準語だと思っていたが、道外の人に『何それ』と言われビックリです」(二十四歳女性)というほど定着した北海道弁だ。

 日本方言大辞典によると「水に浸す」の意味でうるかすを使う地方は多い。東北のほか北関東、熊本県の一部でも使う。ただ「わざと放って置く」の方は、道内と津軽地方のみ。何か先送り体質みたいなものがあるのだろうか。
■第5位 【しばれる】 厳しい冷え込み表現
 冷え込む、こごえるの意。用例「今夜はほんとしばれるねえ」

 北海道弁の中でも有名な部類に入る言葉の一つだろう。語源には諸説あり「寒くて身が縛られるようである」「『凍(し)む』の受け身『凍まる』が転じた」「凍み晴れるが原形」など。

 「本当に『しばれる』なんて言うんだ…といわれたことがあります」(三十九歳女性)という回答も。「しばれる」としか表現しようのない冷え込みの日って確かにある。

■「北海道かるた−方言編」 2万セット売るヒット
46の北海道弁をかるたにした「北海道かるた」。朗読CDも同封されており、聞きながら遊ぶこともできる
 「あずましくない」「いたましい」「うるかす」など四十六の北海道弁をかるたにした「北海道かるた−方言編」の売れ行きが好調だ。雑貨製造販売のディスカバリークリエイティブ(札幌)が昨年八月に発売して以来、二万セットを売るヒット商品となった。

 当初は観光土産品として企画したが、購入した人の約九割が道民という。企画、製作担当の秋谷愉子さんは「私も道産子ですが、道民は北海道弁を標準語だと思って使っている。かるたを作り、これも方言だったんだという再発見が多かった。お客様からの感想も北海道弁を見直したというものが多い。再発見の楽しみといった点が好評いただいている理由でしょうか」と言う。

 同社は第二弾として「津軽弁かるた」も発売している。北海道かるたは道内書店、土産品店で販売中。千八百円(税別)。問い合わせは同社(電)011・623・6680へ。