2004参院選
 
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審判 政治不信
<1> 年金
 道内で… 本質論議不在で失望感
 「年金なんて話をするのもばからしい」

 札幌・ススキノの雑居ビルにある小さなバー。三十代の男性経営者が、年金問題を話題に振ると、常連客の一人はこうつぶやいた。

 三、四十代の客層が多い店内では昨年来、年金問題が会話に上ることも多かった。だが、ここに来てぴたりとやんだ。それは、年金改革への国民の期待感が、今や「不信」に転じたことを如実に示すものだ。

 中でも、与野党の党首にも波及した国会議員の未納問題の逆風は道内でも、すさまじかった。

 「年金を払ってない議員に出す名簿はない」。参院選道選挙区から出馬する民主党現職、峰崎直樹氏の陣営幹部は五月下旬、札幌市内の旧知の会社幹部を訪ねると、いきなりこう宣告された。

 比例代表で三選を目指す公明党現職の風間昶氏も未納が発覚し、道内での支持者集会では「本当にご迷惑をかけました…」と涙を流してまで謝罪せざるを得なかった。

 国民の将来の生活設計に直結する年金改革。なのに、年金制度改革関連法案をめぐる国会での論戦は、本質論議に踏み込まずに低調に推移し、最後は与党が数を頼りに徹夜国会の末、同法を成立させた。

 「年金問題は、このままでは大変なことになるから、きちんと考えようということではなかったのか」。自民党を長年支持してきたというバーの男性経営者は、吐き捨てるように言った。(佐藤正基)
 
 永田町で… 法成立、未納に“区切り”
 七日、東京・有楽町のホールで開かれた公明党関係の集会。神崎武法代表はあいさつで、自らの年金保険料未納問題については一言も触れなかった。周囲にそのことを問われると、神崎氏はこう言い切った。「おわびはもういいだろう」

 党三役を含む国会議員十三人の年金未納を公表した公明党。五月中旬以降、神崎氏をはじめ党を挙げて“おわび行脚”を続けてきたが、五日に年金関連法が成立すると、その姿勢はすっかり薄れた。「国会的には一区切りついた。国民の反発が強い未納問題をいつまでも口にする必要はない」(幹部)

 自民党も思いは同じだ。年金関連法成立後は内閣、自民党支持率とも急落。参院自民党幹部は「年金は票にならない」と無関心を装うものの、「今回の改革が『百年安心のプラン』だと説明しても、今の状況では有権者に全く信用してもらえない」と本音を明かす。

 対する野党民主党。選挙戦では、年金改革法の撤回を訴える方針だが、肝心の党独自案も抜本改革には程遠い。同党の参院議員は声をひそめて言う。「反対と言えば、選挙では有利だろうが、それ以上の方針はない」

 年金問題に詳しい倉田聡北大大学院教授(社会保障論)は、与野党の体たらくをこう切り捨てる。「そもそも国会議員は制度自体を本当に理解しているのか」(白井高秋)