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(下)存亡の危機
埋没感一掃へ独自色
(敬称略)
2004/07/09(金) 朝刊
参院議員の紙智子と二人三脚で選挙戦に臨む岡千陽(右)
姉妹作戦で対抗
参院選のラストサンデーとなった四日、札幌市南区の陸上自衛隊真駒内駐屯地前で見慣れない光景が繰り広げられた。
道選挙区で共産党新人の岡千陽の選挙カーが隊員や官舎の家族に向かって呼びかけ始めた。
「共産党は自衛隊の撤退を求めています。隊員の皆さんには、被害者にも加害者にもなることなく、無事に帰ってきてほしい」
陣営幹部は「従来のスローガン調の『イラク即時撤退』ではなく、隊員や家族の心のひだに染み入るように語りかけた」と明かした。
保守の牙城である自衛隊前に足を運んだのは、新たな支持者の獲得を目指すためだ。
マスコミ各社の世論調査で、共産は低迷し、道選挙区でも岡の苦戦が伝えられた。昨年十一月の衆院選で、自民、民主の二大政党の政権選択争いにかすみ、道内唯一の議席を失った。
この流れを止めるため、岡は知名度の高い参院議員紙智子と二人三脚の「姉妹作戦」で、浮動票の取り込みを狙う。「昨年の衆院選より反応はよい」(陣営幹部)という感触を、実際の得票につなげるのが課題だ。
「全国的にまだ踏ん張りが必要だ。北海道をよろしく頼む」
五日、選挙応援で札幌を訪れた同党書記局長の市田忠義はこうハッパをかけ、終盤戦の追い上げを指示した。
社民党党首の福島瑞穂とともに支持を訴える山内恵子(右)
民主に批判の矢
昨年の衆院選で、共産とともに道内議席を失った、護憲政党の社民党も同じく埋没感に苦しむ。
「民主党公認候補の七割は、改憲を主張しているんです」
道選挙区の社民党新人の山内恵子は終盤に入り、昨年の道内衆院選で選挙協力を結んだ民主党に一転して、批判の矛先を向け始めた。
公示直後は「支持層が重なるため、民主党への批判は反発を招き、逆効果となりかねない」と自重していたが、世論調査での民主の躍進ぶりに「追い風は民主にしか吹いていない。違いを明確に示すため、遠慮なくやる」(選対幹部)と迷いを吹っ切った。
党首の福島瑞穂も八日、札幌に駆けつけ、「北海道はもともと革新の地盤。民主党支持者でも一枚皮をはげば、社民党という人が多い」と訴え、終盤の戦いに加勢した。
共産、社民の小政党は再び自民、民主対決の中にのみ込まれるのか、それとも、生き残りを果たすのか。危急存亡の戦いはぎりぎりまで続く。
◇
この連載は報道本部の川原田浩康、小野孝子、今川勝照が担当しました。
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