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2区 札幌市北区、東区 顔見えず基礎票固め
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| 「兄はよく言えば器用、悪く言えば節操がないし、いいかげんでぐちゃぐちゃだ」。二十日夜、札幌市北区の町内会館で開かれた自民前職、吉川貴盛の演説会。民主党を飛び出し自民党に復党した鳩山邦夫元文相(比例代表東京ブロック二位)は、民主党代表で兄由紀夫のおひざ元の北海道に乗り込み、激しく批判した。 「兄弟げんか」で話題を振りまく邦夫を見ようと、会場には立ち見も含め約二百人の支持者が詰めかけ、邦夫の一言一言に拍手を送り続けた。 邦夫の北海道入りは吉川がかつて秘書だった縁で実現した。陣営は邦夫人気に目を付け、動員力が弱い地区の演説会に送り込むしたたかさもみせた。自民党道連も一時、由紀夫が立つ9区(胆振、日高管内)への派遣を検討し、党本部も各陣営に配った冊子で邦夫の似顔絵付きの民主批判を展開。「そこまでやるか」と由紀夫に言わせるほどのネガティブキャンペーンだ。 「他党批判はやりすぎれば逆にマイナスになる」。選対関係者の間には後ろ向きの戦法への懸念もある。だが、そんな声ものみ込むほどの危機感が陣営に充満している。 吉川は前回2区で落選し比例代表で辛くも復活した。今度の相手は無党派層に強い共産新人の紙智子と市民運動家の民主新人石田幸子。「雲のような無党派に乗っている二人」(選対幹部)が相手だ。敵は「身内」にもいる。無所属の新人松木謙公はかつて自民党に所属し、支持層が重なる。陣営幹部は「前回は松木票を低く読み過ぎ苦い経験をした。今回も保守系無党派票が松木に集まればうちは危ない」と警戒感を強める。 2区はまた人口移動が激しく毎年、住民の約一三%が入れ替わる都市特有の事情も抱える。四年前と四割以上が入れ替わった計算だ。人口の流動化を踏まえ、吉川陣営が下した決断は「徹底的に自民党支持層を固める」内向き戦略だった。 「この電話で六回目。もういいかげんにして」。選対や道議、市議が後援会名簿などを頼りに電話作戦を繰り広げた結果、従来の自民党支持者に電話が集中する現象も出てきた。陣営は五百カ所のお茶の間懇談会を行い、「一万五千人と会う目標は達成間近」(幹部)という徹底ぶり。だが従来の保守層からどれだけ支持の輪を外に拡大できたかは未知数だ。 北海道新聞が行った世論調査では、投票する候補を決めていない有権者はなお2区全体の四割を占める。見えない無党派層を相手に、もがきながらの選挙戦が続く。 (敬称略) |