インサイド総選挙

3区 札幌市白石、豊平、清田区 「あと1票」ゲリラ戦
 二十二日朝、自民党前職・石崎岳の選対事務所。「マスコミはうちが優位と伝えたがとんでもない。しっかりやるように」。選対幹部は、集票の核となる札幌市議らにげきを飛ばした。札幌圏の自民、民主最大の激突区である3区は、選挙最終盤に入っても有権者の流れが固まらない。民主党元職・荒井聡が石崎の組織票をジワジワと侵食する構図だ。

 激しい競り合いの中で二十三日には、自民党の町村信孝首相補佐官と民主党の横路孝弘副代表が3区入り。双方の「親分」格が両党の道都決戦大詰めの狼煙(のろし)を上げた。

 互いに持ち分は一応固めた。その均衡を最初に破ったのは荒井だ。二十二日、荒井は終日「カラの選挙カー」を走らせ、自分は石崎が「固めた」とする白石区の四カ所で抜き打ちの小集会を決行。さらに選挙区を飛び出し、水面下の企業回りに走った。

 石崎が荒井のゲリラ工作を察知したのは、この日の夕方。選挙事務所に戻るなり、自ら事務所の電話をかけまくり、荒井が回ったと思われる支持者の説得を深夜まで続けた。

 石崎の最終盤戦略は組織の引き締め。週明けから中央区のホテルで企業・団体関係者の大集会を打ち、翌日は、前回衆院選で荒井陣営に回った医師、薬剤師対策として、所属する森派の会長・小泉純一郎元厚相を招き講演会を開催。選対内部にも「動員疲れ」の声が出るほどの徹底ぶりだ。

 だが、すくっても砂のようにこぼれる都会特有の有権者心理が、石崎、荒井を苦しめる。手を緩めた途端、他陣営のゲリラが町内会や企業を崩す。

 ともに若手政策通を掲げる両候補。「バッジなしでは政策も実現しない」と居直りの泥仕合を演ずるが、自らの姿に「消耗戦の繰り返しで、本来の政治活動からは遠ざかるばかり」とのぼやきも漏れ始めた。

(敬称略)



北海道新聞
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