2007道知事選 「候補」の本音
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| 新しい道政のかじ取り役を決める知事選の投開票日まで十日余り。格差是正、雇用創出、新幹線の札幌延伸…。山積する課題に、三候補が示す「処方せん」も三者三様だ。争点の現場を訪ね、有権者が政治に何を求めているかを探った。(5回連載しました) |
| 2007/03/27(火) 朝刊 |
| <1> 支庁再編 深まらぬ「役割」論議 |
地域経済への影響懸念
夕闇に包まれた海岸線を左手に見ながら、一台のバスがひた走る。日高管内浦河町から約百七十キロ離れた札幌へ向かう「高速ペガサス号」だ。
金曜夕に出発する特別便の車内は大きなかばんを抱えたスーツ姿の乗客でいっぱいになる。多くは日高支庁に勤務する単身赴任の道職員。「週末を留守にする後ろめたさはあるけど、家族サービスもしなきゃ」。職員の一人は苦笑いした。
まちから支庁が消えたら−。日高支庁の職員は約三百人。多数を占める単身赴任者たちが里帰りする週末の浦河町は、そんな「もしも」の姿を垣間見ることができる。
飲食店がひしめく繁華街の多くは開店休業状態。国道沿いの商店街は半分以上がシャッターを下ろす。「週末は単身者向けの日用品や食品類の売り上げが特に落ち込む」。町大通商店街協同組合の花谷実専務は嘆く。
道は昨年六月、十四支庁を六程度に再編する考えを打ち出した。日高支庁も廃止対象の一つ。再編後は石狩や空知、後志、胆振とともに「道央支庁」に組み込まれる。現在の支庁は、住民に身近な事務を担当する「地域行政センター」に組織替えする方向だ。
支庁は町内最大の事業所。なくなれば、印刷物や日用品の受注業者などは大打撃を受ける。町は、支庁が仮に全面撤退すれば人口の5%に当たる約八百人が町外に転出し、個人消費の落ち込みや税収減で年間約十五億円の損失が出ると試算する。
支庁の存廃論議で、地元住民が真っ先に語るのはこうした地域経済への影響だ。
その一方で、管内全体の振興策立案、地域の声を聞く「広聴」など、支庁本来の機能が失われることへの危機感はほとんど聞こえてこない。
管内のある町議は「陳情なら最初から本庁に行く。支庁に行っても『本庁と協議する』と棚上げされるだけ」という。「市町村に支庁の権限を移譲する方が効率的だ」と話すのは新ひだか町の商店主。支庁にはパスポート取得で足を運んだだけ。その手続きも昨年七月からは、町役場でできるようになった。
支庁制度に関する三人の知事選候補の主張は、真っ二つに分かれる。

| 薄暮の中、浦河発札幌行きのバスに乗り込む日高支庁の職員たち。週末のまちは閑散となる |
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現職の高橋はるみ氏は、道から市町村への権限移譲を進める過程で「見直しは当然」との立場。再編後の支庁数は明言しないが、「十四支庁は明治時代にできた体制。交通、情報ネットワーク状況は大きく変わった」と再編の意義を強調する。
新人二人はともに支庁制度改革反対派。共産党新人の宮内聡氏は「支庁と自治体の関係をもっと綿密にするべきだ」と主張する。支庁機能の強化を訴えるのは無所属新人の荒井聡氏。「本庁をスリム化する一方、支庁の職員を増やして権限や予算を与える」という。
本庁と市町村の「中二階」に位置する支庁。その存在自体が地域経済を支えているのは間違いないが、行政機関としての本来の役割に関する論議は深まってはいない。(宇野一征) |
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