北海道新聞 道新ビジョン

聖地にかける

陸上・男子二百メートル
高平 慎士
自転車・女子トラック
大菅 小百合
卓球・女子単、複
梅村 礼
バドミントン・女子複
中山 智香子
自転車女子個人ロードレース
沖 美穂
男子レスリング フリースタイル55キロ級
田南部 力
バレーボール女子
吉原 知子
成田 郁久美
佐々木 みき
競泳・女子平泳ぎ
田中 雅美
女子テニス
小畑 沙織
野球
小笠原 道大
金子 誠
射撃・女子ピストル
小西 ゆかり
福島 実智子
稲田 容子
戦アテネ

女子柔道70キロ級
上野 雅恵

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聖地にかける タイトル
高平慎士 たかひら・しんじ 1984年7月18日、旭川市生まれ。11歳から陸上を始める。2002年インターハイ二百メートル優勝。アジアジュニア選手権二百メートル優勝、03年日本選手権二百メートル8位、04年日本選手権二百メートルを20秒59の自己ベストで優勝。179センチ、62キロ。順大。
タイトル

2004/7/2(金)朝刊

「楽しんで」底力発揮
高平慎士
 高平にとって陸上は、勝負事ではない。「趣味みたいなもの。楽しくなくなれば、すぐにやめてもいい」。ハングリー精神や根性といった言葉は似合わない。19歳の新星は、好きで好きでたまらない「駆けっこ」でアテネを射止めた。

 6月初めに行われた日本選手権。五輪出場権が懸かった大会だったが、高平の頭から五輪のことは消えていた。2週間前の関東学生対校選手権二百メートルで、21秒を切ることもできずに4位と惨敗。調子はどん底に近かったからだ。

 それでも周囲は、高平に「五輪、五輪」という。もちろん五輪出場は夢だった。だが、高平の中で優先順位は「陸上を楽しむ」ほうがずっと上。「まず五輪ありき」という周囲の思いと自分の信念が、別の次元にあることに違和感さえ覚えた。

 「楽しもう」。米国合宿で教わった走法に固執しすぎて小さくまとまっていた走りを、足を高く上げる従来の走法に戻した。心身とも原点に戻ると、不思議なくらい力がわき出した。二百メートル決勝。自己ベストを0秒04更新、五輪参加標準記録ちょうどの20秒59をマークしゴールに飛び込んだ。

 旭川春光小時代は野球少年だった。全道大会2位になった強豪チームで投手として活躍した。転機は小学6年の時。足が速かったことで誘われた陸上では「全国大会の常連になれる」と太鼓判を押された。「いろんなところに行ける」(高平)という理由で旭川六合中から本格的に転向。旭大高3年でインターハイ二百メートルを制し、順大に進んだ。

 「練習でもそのとき楽しければ、いつまででも走っていられる。アテネではそれなりに走れて、結果がついてくれば。欲を出さずに、空回りせずに」とさらりと言ってのける。

 「今を楽しむ」。現代の若者気質そのままに、高平は五輪の大舞台に挑む。


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