日本のエース
2002年1月16日(水)掲載 

11.スピードスケート 大菅小百合

21歳 三協精機−白樺高  ドーンとの差 感じなくなった


 初舞台 勢い武器に勝つ


 五輪を控えた今季、日本女子短距離界の新しい時代を切り開いた。日本女子で初めて500メートルで38秒台の壁を突破。世界レベルへ到達したことによって、21歳の背中には、間違いなく期待という目に見えない重荷が日に日に忍び寄る。

大菅小百合の写真
伸び盛りの勢いで表彰台を狙う大菅小百合
 だが、大菅はさらりと言う。「五輪がどういうものか、まだ分からないので、楽しみたい」。根っからのプラス思考。負けん気が生む勢いを味方に付け、メダルもかかった初舞台に物おじするそぶりはまったくない。

 挑む相手が強ければ強いほど、闘争心を燃え上がらせる−。このたくましさを証明したのが、500メートルで37秒台をマークした昨年12月のワールドカップ(W杯)ソルトレークシティー大会だった。

 2レースとも同走は女王カトリオナ・ルメイ・ドーン(カナダ)。しかし、不動の世界記録保持者を相手に委縮するどころか、本人は大喜び。そして連日、37秒台の日本新。初めて世界の表彰台にも上がった。「ルメイに勝つために何をすればいいか、見えてきた」と度胸満点のセリフも出た。

 ルメイ・ドーンに追い付くのは並大抵のことではない。世界記録(37秒22)と大菅の自己ベスト(37秒78)の差は、まだまだ大きい。それでも「勝負してやる、と思えば、そんな大きな差とは感じなくなったんです」。シーズン前から、こう語っていた。

 体も意識も、すでにトップギア。「もう守りに回らないように、攻め、でいくだけ。ルメイに追い付こう、ルメイに少しでも近づこうってね」と、今村俊明監督もあえて手綱を締めるつもりはない。勢いも、ここまで来たら強力な武器だ。

 夜、寝る前はイメージトレーニングを欠かさない。もちろん同走者はルメイ・ドーン。自分が先にゴールする、とてつもないシーンを毎日焼き付けているに違いない。

(酒井信太郎)


 

10.スピードスケート 田畑真紀

北海道新聞
Copyright(c) The Hokkaido Shimbun Press.