特別監査報告 全文

再発防止の取り組みを

 《1》報償費については、執行していた全部局で、始期は特定できなかったが、相当以前から2000年度までの長い間、慣行として、組織的に不正な予算執行が行われ(2000年度の1署除く)。一部の部局においては、01年度以降も、2000年度までと同様な方法で不正な予算執行が続けられていることが認められた。

 道警は、道民への説明責任と本部内、方面本部や各警察署への是正指示という責務をこれまで果たさず、今日に至ったものであり、その責任は極めて重大である。

 また、旅費については、旅行の事実がないものが数多く認められた。食糧費、交際費についても、執行の事実がないものが認められた。このように、各費目で数多くの不正な執行が認められたことは、公金の原資が道民の税金であることについて、警察幹部の意識が欠如していたことに起因するものであり、極めて遺憾である。職員からの自発的な自浄作用が働かない職場環境であったことも、一つの要因であると考えられる。

 道警は、公金に対する職員の意識改革と財務会計制度の研修など、再発防止に向けた取り組みを徹底し、適正な予算執行に努めるべきである。

 《2》旅行者に対する事情聴取で、宿泊を伴う旅行、日帰りの旅行、日額旅費の対象となる旅行にかかわる旅費の支給については、旅行の事実はあるが、本来支給されるべき旅費の全額を受け取っていなかったと説明する者や、支給されていることも知らなかったと説明する者が多数あった。旅行者の一部には、どのような場合に出張となるのか旅行の定義をよく理解していない者もいた。

 旅費は、公務のために旅行する者に支給し、公務の円滑な運営に資するものであり、本来支給されるべき旅費がそのとおり支給されないことは、旅費制度の趣旨にもとり、職員の私費負担で公務遂行を求めることにもなり、あってはならないことである。

 道警には、各警察署などで、旅費支給の取り扱いがどのように行われていたのか、十分な調査を求めたい。

 《3》実効性のある監査を行うためには、報償費にかかわる捜査協力者に対する関係人調査を行うことが重要であるとの考えから、道警本部長に対して、再三、その円滑な実施について協力を要請したところ、捜査協力者に対する関係人調査に代わる事実確認の方法を「個別、具体的に検討させていただきたい」と回答があった。

 このため、執行の事実が確認できない事例の一部を提示して検討を要請したが、個別、具体的な説明や対応がなかったものが多数あり、執行の事実を十分に検証できなかったことは、誠に遺憾である。

 《4》旅行命令簿や食糧費にかかわる会計書類などが廃棄されていたり、作成されていなかったため、旅行の事実など予算執行を確認できないものがあったことは、誠に遺憾である。今後は、会計書類などを厳正に整備、管理するよう求めるものである。

 《5》多数の捜査員から、報償費の中の捜査諸雑費の執行手続きが少額の執行にもかかわらず極めて複雑であるため、捜査協力者に対する謝礼や接触経費を私費で負担しているものもある、捜査活動で自己所有の携帯電話を使用することがあるが、少額で煩雑なので請求しないこととしている、休日を返上し勤務時間をいとわず捜査に従事しているなかで、捜査諸雑費にかかわる会計書類の作成は煩雑である、などと説明があった。

 道警は、第一線の現場で苦労している捜査員の声を的確に把握し、予算の執行などに反映させていくための仕組みを早期に構築するとともに、捜査諸雑費については、捜査員の業務実態に見合った手続きとなるよう改善する必要があると考える。

 《6》報償費、旅費、食糧費、交際費の執行に関し、執行の事実がないものと認められたものについて、道警は、実際の使途、金額を点検し、確証が得られないもの、また確証が得られても公費で支出できないものを北海道が被った損害額とすることが相当と判断する。

 執行の事実が確認できなかったものについては、監査対象部局として説明責任を適切に果たせるよう、道警に十分な調査を求めたい。この結果、なお執行の事実が確認できないものについては、執行の事実がないものとして取り扱うことも考えるべきである。

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